部下と上司の間でコミュニケーションがうまくいかないことはいつの時代もあります

「最近の若者は~。」という言葉もいつの時代でも使われてきました 

「まったく最近の若者はだめだなぁ。」
「私が君たちくらいの時には・・・。」
「重要な報告・連絡・相談をチャットで行うな」 

しかし、このギャップはかなり年が離れた世代で起こっていましたが、最近ではより近い世代でもコミュニケーションギャップを感じるようになってきていることにお気づきでしょうか。これは技術革新、テクノロジーの変化が大きな要因となっています。
今回は世代間のコミュニケ―ションギャップの理由について説明させて頂きたいと思います。この理解をして頂いた上、次回のメルマガからはどう対処するべきか説明させて頂きます 。テクノロジーの変化で何が変わるのでしょうか。 

「横割り文化」、「縦割り文化」の逆転

「縦割り文化」では、祖父母・親・叔父叔母・先生方などの影響力が強く、子供が「文化」を学ぶ際に大半の情報(8割程度)を目上の人から得る事になります。「横割り文化」では、子供が文化を学ぶ際に大半の情報を同世代から得る事になります。ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)からは主に「横割り文化」世代になっていきます。

「横割り文化」の影響による価値観の変化

「縦割り文化」と「横割り文化」で育った人の一番大きな違いは、誰と話しても自分と同じ立場であると思っていることです。仮に社長と話していても、関係が同等であると感じていて、上から話をされる事を認めない。それはネット上で年齢に関係なくコミュニケーションをとる場合が多く、誰にでも同じ態度で接することに彼らが慣れている文化だからです。逆に言えば年配者への配慮が少ないと見られがちで、この文化の違いが情報の価値の違いを生み、コミュニケーションギャップを生み出しています。

価値観の変化はなぜ起きているのか

「デジタルパイオニア」と言われる「ミレニアル世代」や「デジタルネイティブ」と言われる「Z世代」年齢で言えば35歳以下はSNSやウェブを中心にした生活をしていて、コミュニケーションツールの移り変わりと情報の収集方法が大きく違っています。

  • SNSやMMOなどでコミュニケーションをとり、自分の友達ネットワークを構築します。その際には共通点、同思考度合、自分に役立つ感で相手との関係を決めるので「歳」「先輩」という概念に捉われません。
  • 情報収集はウェブですべて完結してしまいます。ですから上司・先輩が持つ情報で彼らがググる(グーグルを使用して検索する)以上に欲しい情報は少ないとみています。

テクノロジーの変化により「経験の価値」が低くなってきました。15年前の営業、マーケ、会計管理などの仕事内容が変わり、90年代初頭には1千憶企業の管理会計チームは50人程度だったのに、今日は1/10で業務が完了するようになりました。

そんな中で「俺の30年の経験」と威張ってくる上司は鼻で笑われてしまいます。

飛び込み営業なんてこのデジタルマーケティングの時代には無意味・時間の無駄です。そしてこの変化のペースは早まっているのです。要は先輩の話よりもウェブ検索で出てきた情報を重要視するようになりました。

この様に過去との関連性を感じなくなった若者が今までの社内ルールや会議手法に疑問をもつのは当然であり、ルール、社風を鵜呑みにすることをしなくなりました。「前からそうだったから」といった慣習や考え方が通じなくなったのです 

勘や経験からはじき出す結論よりもデータやウェブ上にある情報と経験談などを基にした結論を参考にし、経験を積むことよりも検索から出た答えの扱い方を考えます。方法や正解を試行錯誤で探し求めるよりも、正解を教えてもらいたがる傾向があり、方法を試行錯誤するよりもその方法をより良くする方向に試行錯誤したがる傾向が若い世代に顕著であり、上司の出す答えと部下の欲しい答えにギャップとストレスを与えています。

若手社員とのコミュニケーションギャップを埋めるためには若手文化の先輩像、新しいリーダー像を知り、対応する必要があります。若手について来させるより、上司がうまく誘導するために変化していくことがこれからの人材育成に必要となります。

部下を叱咤しながら行動で引っ張っていくリーダーよりも社会人としてのマネジメント、若手が動きやすい環境作りができるリーダーが求められ、そういった対応が若手とのコミュニケーションギャップを埋めていきます。

今回は世代間のコミュニケ―ションギャップの理由、若手とのギャップを埋める自身の立ち振る舞いについてお話しました。この理解をして頂いた上、次回のメルマガでは、若手社員とどのようにコミュニケーションを図るか、やる気を出させていくかについてどう対処するべきか説明させて頂きます。

キーワードは「ビジョン」と「みえる化」です。

お楽しみに